スマートマンション(IoTマンション)の事例

この記事でわかること
  • 分譲・賃貸マンションにIoT(スマートホーム)を導入した事例と、導入の目的・効果
  • マンションIoT化で期待できる効果と、導入後に管理会社が担う作業・提供会社に任せられる範囲
  • 事例から分かるスマートホームサービス選びのポイント

マンションIoTとは、住戸内の家電・住宅設備や共用部の設備をインターネットにつなぎ、スマホアプリなどで操作・管理できるようにする取り組みのことです。

分譲・賃貸それぞれの導入事例をもとに、導入効果だけでなく、導入後の運用まで見据えた検討のポイントを解説します。

ここでは、スマートマンション(IoT化したマンション)の導入事例を、分譲・賃貸に分けて紹介しています。事例ごとに導入の目的・導入した機能・効果・運用面のポイントを整理しているほか、導入後に管理会社が担う作業や、スマートホームサービスの提供会社に任せられる範囲もまとめています。

新しく建設するマンションや、管理しているマンションの価値を高めたいと考えている方は、比較・検討の材料としてご活用ください。

目次

【分譲】マンションIoTの導入事例

分譲マンション
「パークホームズ品川中延」

パークホームズ品川中延
引用元:リンクジャパン公式サイト(https://linkjapan.co.jp/elife05/)

「時短」コンセプトを
スマートホームで実現

事業者三井不動産レジデンシャル
導入サービスeLife(リンクジャパン)
主な機能さまざまなメーカーの家電・住宅設備を1つのアプリで操作、GPSと連動した機器の自動操作など

導入の目的:忙しく働く人をターゲットにした駅近物件で、「時短」をコンセプトに掲げていました。食洗機などの設備仕様だけでは他社との差別化が難しかったため、サービス面から時短を実現する手段としてスマートホームを検討し、eLifeを導入しています。

導入の効果:モデルルームでは、「おはよう」「おやすみ」と声をかけると室内の家電が一斉に動く様子を体験できるようにしました。販売時・購入時のアンケートでは、ターゲット層から「実用性があるサービスが装備されていて購入に繋がった」という回答が多く寄せられています。福岡・東京で合計3件に導入されました。

運用面のポイント:リンクジャパンからは、モデルルームでのスマートホームの見せ方の提案や、物件ホームページのIoT項目の作り込み、販促ツールの資料提供など、販売面での支援も受けています。

同社では2026年6月に発表された分譲マンション「パークホームズ船橋」(全121戸)でも、eLifeが採用されています。スマートリモコンや温湿度センサーを標準採用し、スマートロックや給湯器リモコンなどを追加オプションとして選べる構成で、共用部の顔認証システム「FreeiD」(DXYZ)と組み合わせた点も特徴です。

分譲マンション
「ヴィークコート新川崎」

ヴィークコート新川崎
引用元:KDDI公式サイト(https://biz.kddi.com/beconnected/feature/2018/181023/)

多様化する顧客ニーズに対応し
ブランド価値を向上

事業者清水総合開発
導入サービスwith HOME(KDDI)
主な機能スマートスピーカーによる家電操作、外出先からの見守り、鍵や窓の開閉確認など

導入の目的:高級分譲マンションブランド「VIEQU(ヴィーク)」を展開する清水総合開発が、多様化する顧客ニーズへの対応と差別化を目的に、ホームIoTサービス「with HOME」を導入した事例です(2018年公開)。

導入の効果:入居者は月額490円(基本利用料)でIoTデバイスを活用できる仕組みで、入居後の満足度を長く保ち、付加価値を提供することが期待されています。

運用面のポイント:サーバーやアプリはKDDIが提供するため、事業者が自前でシステムを構築・管理する必要がない点が選定理由の一つに挙げられています。

分譲マンション
「ブランズ二子玉川テラス」

ブランズ二子玉川テラス
引用元:ファミリーネット・ジャパン公式サイト(https://www.fnj.co.jp/case/case-74/)

既存のマンションブランドに
新しい価値を付加

事業者東急不動産
導入サービスrimoco(ファミリーネット・ジャパン)
主な機能ダイニングエアコン・給湯設備・床暖房・電気錠をスマホやスマートスピーカーで操作

導入の目的:分譲住宅ブランド「BRANZ」に新しい価値を加えるため、インターネット接続サービス「CYBERHOME」とあわせて、マンション向けIoTサービス「rimoco」を導入しました。

導入の効果:スマートスピーカーに朝の動作を登録すれば、「おはよう」の一言でエアコンと床暖房が動き出すなど、住宅設備を声やスマホで操作できる暮らしを実現しています。

運用面のポイント:同時期に導入された「ブランズ練馬」では、建築段階でインターネット回線や機器の取り付けが完了しており、入居時に居住者側の初期設定が不要な点が挙げられています。

【賃貸】マンションIoTの導入事例

賃貸マンション
「リビオメゾン東池袋」

スマートホーム機器を全戸に導入した
次世代型賃貸マンション

事業者日鉄興和不動産
導入サービスeLife(リンクジャパン)
主な機能GPS・温湿度センサーと連動したエアコンの自動制御、照明操作、アプリでの玄関ドアの施錠・解錠、共用エントランスの顔認証・アプリ解錠など

導入の目的:「おうち時間の充実化」をコンセプトに、仕事から帰宅したあとのオフへの切り替えを支える住まいとして、「リビオメゾン」シリーズで初めてスマートホーム機器を全戸標準採用しました(全49戸、2024年11月竣工)。

導入の効果:帰宅前にエアコンが自動で起動する、マルチボタンで照明・エアコン・鍵を一括操作できるなど、日常の手間を減らす設備を実現しています。HomeLinkアプリは、オンライン診療や家事代行、訪問介護サービスとも連携しています。

運用面のポイント:住戸の鍵の状態をアプリで確認できるため、入居者の閉め忘れの不安を減らせます。また、アプリのアップデートにより、入居後もサービスを追加できる点も特徴です。

賃貸マンション
「EL FARO南麻布」

投資用賃貸マンションの
付加価値向上にスマートホームを活用

事業者明豊エンタープライズ
導入サービスHomeLink(リンクジャパン)
主な機能エントランス・住戸の鍵のアプリ操作、エアコンの自動制御、給湯器の遠隔操作、照明のスマート操作

導入の目的:新築1棟投資用賃貸マンション「EL FARO」シリーズの通算70棟目となる物件(全15戸、2025年4月竣工)で、全戸にスマートホームを導入しました。入居者には快適で利便性の高い暮らしを、オーナーには物件の付加価値向上や入居率の向上をもたらすことを目的としています。

導入の効果:外出先からお湯張りができる、帰宅前にエアコンが自動で起動するなど、入居者が日々の便利さを実感しやすい機能をそろえています。

運用面のポイント:エントランスと住戸の鍵をスマホアプリで操作できる仕組みは、入居者の利便性を高めるとともに、物件の募集時にも分かりやすい訴求ポイントになります。

アパートや、ホテル・介護施設など、マンション以外の建物の事例は以下で紹介しています。

事例から分かる
スマートホームサービス選びのポイント

入居者が使いやすいか

事例でも、サービスの決め手として「アプリの使いやすさ」が挙げられています。入居者がITに詳しくなくても使い始められるか、初期設定の手間が少ないかは、利用率や満足度に直結します。

物件の設備と連携できるか

家電だけでなく、玄関の鍵・給湯器・インターホン・共用エントランスなど、物件の設備とどこまで連携できるかを確認しましょう。連携できる設備が多いほど、物件の訴求力は高まります。

導入後の運用を任せられるか

入居者からの問い合わせ対応や入退去時のデータ管理を提供会社に任せられれば、管理会社の負担を抑えながらスマートホームを運用できます。

販売・募集の支援があるか

分譲ではモデルルームでの見せ方、賃貸では募集時の訴求方法など、導入効果を引き出すための支援があるかも比較ポイントです。

導入費用や導入期間については、以下の記事で解説しています。

【まとめ】導入効果と運用体制の
両面から検討しよう

マンションのIoT化は、分譲では販売時の差別化やコンセプトの具体化、賃貸では付加価値の向上や入居者募集に役立つ取り組みです。紹介した事例を見ると、大手デベロッパーを中心に、マンションのIoT化が分譲・賃貸の両方で広がっていることが分かります。

導入を検討する際は、機能や初期費用だけでなく、入居者対応や入退去時の対応を誰が担うのかまで含めて比較することが大切です。運用面まで任せられるサービスを選べば、管理の負担を抑えながら物件の価値を高められるでしょう。

マンションの他にも、建物・施設の種類別にスマートホーム化(IoT化)の事例を掲載しています。気になる方はチェックしてみてください。

また、当メディアでは、導入目的別におすすめのスマートサービスを厳選して紹介しています。暮らしの利便性向上、省エネ、防犯対策など、物件にどんな付加価値をつけるためにスマートホームサービスを導入したいかによって、選ぶべきサービスは変わってきますので、参考にしてみてください。

“IoT標準化”時代の最適解
施設別スマートホームサービス3選

IoT が当たり前となった現在、鍵となるのは施設ごとの運営課題に適したサービス選定です。

住宅・ホテル・オフィス、スマートホームの導入が増えてきたこの施設ごとに異なる課題を解決する3社をピックアップし、導入効果をひと目で比較できるよう整理しました。

マンションなどの
集合住宅向け
物件評価のプラス材料
eLife
(リンクジャパン)
eLife(リンクジャパン)
画像引用:リンクジャパン/eLife
(https://linkjapan.co.jp/elife/)
選ばれる理由

1アプリ完結のプラットフォーム型IoT。照明・鍵・空調などの機能を物件グレードに合わせて追加・削除でき、入居後のニーズ変化にも柔軟に対応。

実際に周辺相場より月額賃料が1室3,000円アップ※1した例もあり、オーナー収益と入居者満足の両方を高めます。

ホテルなどの
宿泊施設向け
無人対応で顧客単価UP
SmartInn stay
(SmartInn)
SmartInn
画像引用:SmartInn
(https://biz.smart-inn.co.jp/home)
選ばれる理由

予約用URLを送るだけで、ゲストはスマホひとつで鍵の開閉と支払いを完了。データはPMSに自動連携するため、フロント業務を大幅に削減できます。

対面手続きが不要になり人件費を抑えられるうえ、セルフチェックイン需要や長期滞在プランの販売強化で客単価アップも期待できます。

医療・介護などの
福祉施設向け
転倒ゼロを支援
TOPPAN LifeSensing
(TOPPAN)
TOPPAN LifeSensing(TOPPAN)
画像引用:TOPPAN LifeSensing/TOPPAN
(https://solution.toppan.co.jp/lifesensing/)
選ばれる理由

ベッド下センサーが離床を即時検知し、データはクラウド処理のため館内サーバーは不要。初期投資と保守コストを抑えられ、停電時もデータ保全が継続。

介護記録ソフトとAPI連携してICT化を推進し、夜間巡回の負担を大幅に削減。さらに「生産性向上推進体制加算」対象機器として、収益改善にも貢献します。

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