【集合住宅・福祉施設・病院向け】スマートホーム化するためにはどんな工事が必要?

本記事では、スマートホームの取り組みを行っている企業の割合や導入効果、建物・施設別に見るスマートホーム工事の違いを分かりやすく紹介しています。ネットワーク整備工事やスマートデバイス設置工事についても詳しく解説しているので、所有物件・施設のスマートホーム化を検討している方は参考にしてみてください。

目次

不動産業界における
スマートホーム化の現状

2023年4月に実施された不動産事業者向けのインターネット調査によると、約45%の事業者がスマートホームサービスの導入や販売、提供に取り組んでいることが明らかになっています。

ハウスメーカーやディベロッパーは半数を超える割合で取り組みが進んでいる一方、工務店の取り組みは30%に満たない状態。同じ不動産業者でも、業種によって大きな差が見受けられます。

また、スマートホームサービスに取り組んでいる企業のうち、約73%は「導入後に年間売上が増加している傾向」と回答。実際のビジネス面でも成果が出ていることが分かりました。

【調査概要】
調査団体:アクセルラボ
調査対象:不動産事業従事者(ディベロッパー、ハウスメーカー、ハウスビルダー、工務店、設計事務所、管理会社、商社)825名(事前調査28,104名)

どの建物でも共通で必要な
スマートホーム工事

スマートホーム化を実現するためには、建物の種類にかかわらず共通して必要となる工事がいくつかあります。

スマートデバイスをスムーズに連携するには、安定した有線・無線ネットワーク環境の構築が欠かせません。分散した各種センサーやデバイスから収集される情報を一元管理し、全体の運用を最適化するには、中央制御システムを構築する必要があります。

スマートホームシステム全体の安全性を担保するには、物理的・ネットワーク両面でのセキュリティ対策が必要です。そのほか、照明やエアコン、暖房などを自動制御するエネルギー管理システムを導入し、居住者の利便性とランニングコストの削減を図ります。

建物・施設別に見る
スマートホーム工事の違い

特に違いが分かりやすい「マンション」と「福祉施設・病院」の工事内容をまとめているので、参考にしてみてください。

マンションの場合

マンションでは、共用部と専有部それぞれに適した設備を設置するスマートホーム工事を行います。

共用部の工事

ロビー、廊下、エレベーター周辺などの共用部分では、安全性と快適性を高めるための機器設置工事を行います。共有スペースの安全性を高めるためには、監視カメラやスマートインターフォン、緊急通報システムなどの設置工事が必要です。

居住者全体の快適性向上を目指すには、共用部の照明や空調の自動調整、温度・湿度のモニタリングを実現するスマート照明や環境センサー(温度、湿度、照度)の設置工事を行います。

専有部の工事

専有部(各住戸内)では、住民の利便性と省エネ効果の向上を図る工事が必要です。例えば、遠隔制御できるスマートロック、照明、エアコンなどの機器設置工事を実施。スマート家電をスムーズに連携するためにネットワーク整備工事も行います。

福祉施設・病院の場合

見守り・モニタリングシステム設置工事

患者さんや入居者の安全を確保するため、バイタルサインや動作パターンを把握するセンサーやカメラ、位置情報システムなどの設置工事を実施。健康状態の異常や転倒などが起きたら速やかに通知が届き、迅速に対応できる仕組みを構築します。

緊急通報システム設置工事

病院は、各病棟のナースコールとスマートデバイス(タブレットやスマホ)を連動するシステムを構築することで、患者さんからの緊急呼び出しに対応するスピードが向上します。

福祉施設も、緊急時に介護スタッフへ即時連絡が取れる通報システムの整備工事を行いましょう。専用端末と連携することで、迅速な対応が可能になります。

環境管理システム設置工事

病院では、手術室や集中治療室など、特に厳しい環境管理が必要なエリアに対し、空調・照明・換気を自動制御するシステムを導入しましょう。

高齢者が多い福祉施設もまた、居住環境の影響を受けやすい人が多いため、温度や湿度などを常時監視できるセンサーを設置すると良いでしょう。

スマートホームの
ネットワーク整備工事とは?

スマートホーム化を実現するための基本インフラは、各種デバイスをシームレスに連携するためのネットワーク環境です。ネットワークの安定性は運用の信頼性、トラブルシューティングの迅速化、そして将来的なシステム拡張の柔軟性に直結します。

スマートホームで利用される
主な通信技術

まずはスマートホームのネットワーク構築に利用される通信技術の違いを知っていきましょう。

Wi-Fi

家庭内外で広く普及している無線LAN技術です。高速データ転送が可能で、スマホ、タブレット、PCなど、多数のデバイスで標準採用されています。インターネット接続が簡単なのがメリット

ただし、電波干渉や障害物の影響を受けやすく、密集環境では通信品質が低下する可能性があります。

有線LAN

物理ケーブルを用いた通信方式です。通信遅延が少なく、セキュリティの観点からも信頼性が高いため、セキュリティシステムやエネルギーマネジメントシステムの基盤として利用されています。

設置工事が必要で、柔軟性に欠ける場合があるため、後からの拡張や変更が難しいのがデメリットです。

5G

次世代のモバイル通信技術。高速なデータ転送と大量のデバイス接続に対応し、リアルタイム通信に優れているのが特徴です。広域かつ高速な通信が必要なシステムや、屋外でのスマートホーム・IoTシステムの接続に適しています。

デメリットは、インフラ整備や基地局の設置が必要で、建物内での電波到達には補完的な技術が必要となる場合がある点です。

Bluetooth Low Energy (BLE)

低消費電力で短距離の無線通信を実現する技術です。バッテリー寿命が長く、ペアリングや近接通信に適しているため、スマートロックやウェアラブルデバイス、近接センサーなど、消費電力が制約されるデバイスの通信に利用されています。

ただし、通信距離が短く、データ転送速度も限定的なため、ネットワーク全体のバックボーンとしては不向きです。

ZigBee

低消費電力でメッシュネットワークを構築できる無線通信技術です。スマート照明、センサー、家電などのIoTデバイス間で安定した通信を実現できます。デバイス同士が中継し合うことで広範囲に通信網を拡げられるため、大規模なスマートホーム向き(マンションやビルなど)。

通信速度はやや低く、大容量データの転送には向かないため、ネットワーク設計が複雑になる場合があります。

Z-Wave

ZigBeeと同様に低消費電力のメッシュネットワークを構築する技術です。専用の周波数帯を使用するため、他の無線機器との干渉が少なく、安定した通信環境を維持できます。家庭用スマートデバイスの自動化に広く採用されており、設置が簡単でセキュリティも強固です。

ただし、デバイス間の互換性に制約があるケースが多く、拡張性におけるデメリットを持ち合わせています。

Thread

IPv6をベースとした新しい無線プロトコルで、低消費電力と高いセキュリティを兼ね備えているのが特徴です。互換性や拡張性が高く、シームレスな接続が可能なため、スマートホームのメッシュネットワーク構築に適しています。

まだ新しい技術自体で、導入実績や市場の普及度は他の通信技術に比べると限定的。そのため、初期導入コストが高くなる可能性があります。

利用する通信技術の選び方

利用する通信技術を選ぶ際には、「どのような環境で、どんなデータをやり取りし、どの程度のセキュリティや拡張性が必要か」を明確にした上で、各通信技術の特性を比較検討することが大切です。

利用環境とカバー範囲

施設の広さや部屋の間取り、屋内外のエリアなど、どの範囲で通信が必要かを考えます。広いエリアや多数のデバイスをカバーする場合は、5Gやメッシュネットワーク(例:ZigBee、Thread)などが有効です。

通信速度とデータ量

動画監視やリアルタイムデータの送受信が必要なシステムでは、高速な通信が求められるため、有線LANやWi-Fi、5Gなどの高速通信技術を選ぶとよいでしょう。

消費電力とバッテリー寿命

バッテリー駆動のセンサーやスマートデバイスの場合、BLE、ZigBee、Z-Waveなどの低消費電力通信技術が適しています。バッテリーの交換頻度が大幅に削減されるため、メンテナンスコストや運用上の手間を減らせるでしょう。

セキュリティ要件

重要な情報やアクセス制御が関わる場合、暗号化通信や認証機能が充実した技術を選ぶ必要があります。比較的セキュリティが強固な有線LANやZ-Wave、Threadなどを選ぶとよいでしょう。

互換性と拡張性

既存のシステムや将来のアップグレードを考慮し、他のデバイスやプラットフォームとの互換性・拡張性が高い通信技術(Wi-FiやThreadなど)を選ぶことが大切です。統一されたプロトコルや規格が採用されていると、システム全体の統合管理がスムーズになります。

コストと運用管理

導入時の初期コストだけでなく、運用・保守にかかるランニングコストも考慮しましょう。有線LANは設置工事が必要なため、初期設備投資が高くなる傾向にありますが、長期的には安定性やセキュリティ面におけるメリットがあります。

無線技術は設置が簡単でコスト面で有利な場合が多い反面、環境によっては干渉や信号強度の問題が発生することもあります。

スマートホームの
デバイス設置工事とは?

スマートホーム工事の基盤となるスマートデバイスは、大きく「ホームコントロール」「エネルギーマネジメントシステム」「防犯・セキュリティシステム」という3つのカテゴリに分類されます。

1.ホームコントロール

ホームコントロールに該当するのは、入居者の生活における利便性・快適性を高めるスマートデバイスです。例えば、スマート家電や照明、空調システムなどが該当します。

これらのスマートデバイスの設置工事を実施することで、物件の付加価値を高められるほか、新しい入居者の集客や既存入居者の満足度向上に大きく貢献するでしょう。

2.エネルギーマネジメントシステム

エネルギーの使用状況を把握・管理し、環境負荷やコストの削減を図る省エネシステムのことです。戸建住宅向けのHEMS (Home Energy Management System)や、集合住宅向けのBEMS (Building Energy Management System)などが該当します。

エネルギーマネジメントシステムの設置工事を行うことで、電力消費データを可視化し、無駄なエネルギー使用を自動制御することが可能です。

3.防犯・セキュリティシステム

防犯・セキュリティシステムに該当するのは、スマートロックや防犯カメラ、入退室管理などのスマートデバイスです。不審な動きをリアルタイムで検知したり、入退室の履歴をリアルタイムで記録したりすることで、不正侵入やトラブルを防止できます。

防犯・セキュリティシステムの設置工事を行えば、管理者の負担軽減につながるほか、入居者の安心感も高められるでしょう。

また、当メディアでは、導入目的別におすすめのスマートサービスを厳選して紹介しています。暮らしの利便性向上、省エネ、防犯対策など、物件にどんな付加価値をつけるためにスマートホームサービスを導入したいかによって、選ぶべきサービスは変わってきますので、参考にしてみてください。

【まとめ】建物の種類や
規模にあった工事が必要

スマートホーム工事の内容や費用は、工事を実施する建物の種類や規模によって変わってきます。どの工事が必要か具体的に知りたい方は、専門知識を持つプロ(スマートホームサービス提供会社)の無料相談サービスを利用すると良いでしょう。

また、スマートホームサービスの中には、工事不要で導入できるものも存在します。工事費用を抑え、なるべく短期間で導入したいと考えている方は工事不要のサービス導入を検討してみるのがおすすめです。

当メディアでは、スマートホーム化に必要な工事の他にも、スマートホームに関する基礎知識をまとめています。スマートホームサービスの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

“IoT標準化”時代の最適解
施設別スマートホームサービス3選

IoT が当たり前となった現在、鍵となるのは施設ごとの運営課題に適したサービス選定です。

住宅・ホテル・オフィス、スマートホームの導入が増えてきたこの施設ごとに異なる課題を解決する3社をピックアップし、導入効果をひと目で比較できるよう整理しました。

マンションなどの
集合住宅向け
物件評価のプラス材料
eLife
(リンクジャパン)
eLife(リンクジャパン)
画像引用:リンクジャパン/eLife
(https://linkjapan.co.jp/elife/)
選ばれる理由

1アプリ完結のプラットフォーム型IoT。照明・鍵・空調などの機能を物件グレードに合わせて追加・削除でき、入居後のニーズ変化にも柔軟に対応

実際に周辺相場より月額賃料が1室3,000円アップ※1した例もあり、オーナー収益と入居者満足の両方を高めます。

ホテルなどの
宿泊施設向け
無人対応で顧客単価UP
SmartInn stay
(SmartInn)
SmartInn
画像引用:SmartInn
(https://biz.smart-inn.co.jp/home)
選ばれる理由

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対面手続きが不要になり人件費を抑えられるうえ、セルフチェックイン需要や長期滞在プランの販売強化で客単価アップも期待できます。

医療・介護などの
福祉施設向け
転倒ゼロを支援
TOPPAN LifeSensing
(TOPPAN)
TOPPAN LifeSensing(TOPPAN)
画像引用:TOPPAN LifeSensing/TOPPAN
(https://solution.toppan.co.jp/lifesensing/)
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